金光教教学研究所
Konkokyo Reserch Institute
〒719-0111 岡山県浅口市金光町大谷1441-3
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令和6年度 研究生退所式(9月30日)
金光教教学研究所では、教学研究の次代を担う研究者の育成と、新たな研究動向が生み出されていくことを願って、研究生制度を設けている。このたび、濵田裕太郎(山口・仙崎)が、五か月の実習期間を終えた。
式では、大林浩治所長が次のように挨拶した。
○
無事に研究生期間を終えられたこと、ありがたく思います。
ここで、研究生期間のとりまとめである濵田君の「実習報告」を振り返り、私なりに考えさせられたことを述べてみたいと思います。
濵田君は、「実習報告」で、紀要に掲載されている「金光大神事蹟集」を扱いました。そこで特に注目したのが、高橋沢野師(六条院教会)が六歳の頃、教祖広前に参拝した際、母屋と新長屋の間に「まんりょう」が生えていた、との記憶を語ったものでした。それ以上に何を言う訳でもなく、ただ当時の情景が語られただけの伝えですが、それが不思議になった濵田君は、事蹟集とはどういうものか、さらには、そもそも事蹟とは何か、との問いを抱き、考察の方途を探りました。
私は、この取り組みを通じて濵田君は「信心とは、一体どういうことなのか」という問題に出くわしたのだと感じました。なぜなら、そこから次のようなことが思い出されていたからです。
聖書の中には、「空の鳥を見よ」「野のユリを見よ」というイエスの言葉が、寿命や衣食の栄華をめぐって思い悩む人々に向けられている箇所があります。耕作しない鳥、いつ火にくべられるかも知らないユリ、それでも神は、それらを隔てなく養い、装いを与えている。だから、そう思い悩まないようにと説く一節です。
この教えに、思想家・吉本隆明や哲学者・西田幾多郎は、解放感と安堵を得たといいます。彼等が見たのは意味づけの問題でしょう。イエスの言葉に見たのは、信心への結びつきを言いつのる宗教の問題であり、信心を道徳綱領のようにして、有無を謂わさず教え込もうとすることで、かえって息苦しく生きることになっている人間に向けた救いであり、その解放を信心の広がりとして読み取っていたのでした。
私には、こうした吉本らの経験が、濵田君の読みの経験と重なってみえました。事蹟は、教祖の信心理解に役立つものと、いつのまにか見なされています。しかし実際はどうとも言い切れないところに位置していることがずいぶんとあるのではないでしょうか。それはつまり、〝意味づけからの解放〟を事蹟が許容しているということです。おそらく、それに濵田君は驚かされ、事蹟とは何か、信心とは何か、と問わしめられることになったのだと思います。これは濵田君個人の問いに留まらない大切な問題でしょう。意味への囚われや、信心の教え込みによる息苦しさは、他人事ではないかもしれないからです。
濵田君は、ここからは助手として、研究に取り組んでいくことになります。研究生期間のこうした経験が下支えとなって、研究の御用が展開していくことを願っています。
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