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昭和末、平成初期における教団動向と「教団」という経験これまで教団史研究では、明治、大正、昭和と各期の研究を蓄積してきたが、令和も数年を経た現在、平成期の研究に着手する時宜を得ている。とりわけ平成初期は、冷戦終結やバブル崩壊といった出来事が、生活や価値意識に及ぶ変化を人々に与えるなど、注目に値する。 また教内でもこの時期は、「よい話をしていく運動」、平和活動センター設置、教規改正など現在につながる取り組みがなされており、それらが如何なる「教 団」経験であったかの究明が待たれている。さらにこの究明によって、「戦後」として連続的に捉えられてきた時代状況を分かち、現代史を展望する時期区分や 性格付けを与えることにもなるだろう。 本研究では、昭和末期から平成初期における資料の調査、収集、整理を進め、当該期の社会状況と教団動向の素描を試みつつ、右の課題を究明する。
メディア環境と信仰表明―安田内局以降の取り組みを中心に―本教の布教については、佐藤光俊内局(平成一八~二四年)で教務面から見直しを加え、教会・信奉者を含めた教団全体の布教のあり方を「教団の布教」と呼 び、新たな軸としてきた。そしてその過程で、教務が直接担う布教(いわゆる「教団布教」)は、主に体制面から否定的に見直された感があるが、「教団布教」 の具体的内容については、検討の余地が残されていると言える。 本研究では、安田好三内局(昭和四九~五九年)以降、「教団布教」を担ったとされる取り組みについて、新聞やホームページといった、広報における「金光教」の表明に注目して分析しつつ、メディア環境と時代社会が急速に変化する中での経験を窺っていく。
教団史資料の総合的管理・運用方途の整備昨今、教内外を問わず歴史資料の収集・運用の重要性が指摘されるなか、教団における資料の総合的管理態勢について一層の充実が願われている。そのために も、教団の資料管理を中心的に担う本所として、関係諸機関との協力関係の緊密化を図りつつ、本所が管理すべき資料を全体的に把握することが求められる。 本研究では、新規収集資料の整理に加えて、本部祭場に保管された未整理資料等の所在・状況確認を進め、管理・運用の方途を探る。
この他、助手は所員の指導のもとに、『金光教教典』の編纂過程や受容の様相に浮かぶ、正統性の希求と救いへの眼差しについて研究を行う。 なお、各所員・助手の成果は、来年2月上旬に研究報告としてまとめられ、提出される。
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